さようなら
従兄弟の父親が亡くなった
死んだ。
最後に会ったのは3年ほど前
そもそも仕事の都合上もあって
会うこと自体ほぼなかった
要所要所で会う事はあったが
ちゃんとした記憶は小学校とか
そこら辺の時期
とは言っても従兄弟の父親
ちゃんと親族の一人として葬儀をした
死を身近に感じるのは嫌い
別に死ぬのは怖くないが
死に対して色々考える
天国も地獄もない
死んだら何もかもが消える
その人にあった意識も全部
ただの死体になって
その他に関しては概念すらなくなる
それが悲しい
せめて何か残っていて欲しい
けど現実はそうじゃない
お葬式が終わって、皆で昼ごはん
冷たい弁当
色々な具はあるが
どこか質素に見えてしまう
冷たくて寂しい
静かな待合室
換気扇の回る音
箸で弁当の底のプラを突つく音
誰かが鼻を啜る音
5歳の子供の喋る声
成長を褒める親戚の声
お茶を淹れる音
近況報告の会話
思い出話
沢山耳に入る情報はあるはずなのに
どれも空っぽというか
音に含みがない
少し広い空間も相まってか
大人数のはずなのに
1人1人がそれぞれ孤立してるように見えた
弁当だって確かに味はする
冷たいだけで不味い訳ではない
この具材はなんなのか
沢山具はあるけどメインはどれなのか
エビの尻尾は食べるのか
好きな物があれば食べて良いよとか
楽しく笑って会話はしてるはず
なのにどこか言葉に芯がない
身体の中から空洞ができてる感覚
喫煙所で家をどうするか
結婚はどうするのか
仕事はどうしているのか
さっき泣いていたことはあえて触れない
あくまで普段のように会話
確かに人が死んだけど
それとは違う何かを埋めようとしてる
全部がそういう行動・会話に見えた
ただ、みんな久しぶりに集まって
普段よりも多くの会話ができた
ちゃんと中身もあったし
楽しい気持ちにもなれていた
全員がその空間と時間を大切にしていた
これはちゃんとした事実
自分は仏教の家系だから
それの教えに習った葬式をした
要約すると、死んでも心は消えない
天から見守っている
そういう話になっている
馬鹿らしいとしか思えないし
全く信じてないし信じるつもりもないが
心のどこかでそうあって欲しいと思ってる
死んだ後なにもかもが消えるのは悲しい
なにか、その人の意識がどこかに残っていてほしい
残った意識は苦しむだとか
そういう箇所の話は一旦抜きにして
生きていた痕跡と思い出
残っているのがそれだけは寂しい
けど、人間だから
遠い昔からそういうものとして生きてる
というか、そういうものでしかない
変えられない現実
けどやっぱり死ぬのは悲しい
本当の意味で居なくなる
声をかけても当然返事なんてない
もっというと話しかけるなんて意味がない
話しかけてる対象は死体
つまり肉と骨の塊
あとは機能していない臓器
それだけ
人間に必要なものがあるだけで
人間という意味ではもうそうじゃなくなった
でもみんなやっぱり悲しいし寂しいから
心のどこかで無意味な事を承知して
声を掛け、別れを告げてる
最後、死体は燃やされる
扉が閉まった時、泣きそうになった
というか、ほんの少しだけ泣いた
さっき書いた
無意味とわかってても取る行動というのは
人間の本能的な部分になるのかもしれない
顔は見たけど声はかけてないし
ただ見守るだけでなにもしていない
けど内心ではさようならと声をかけていた
そのあと少しだけ泣いた
自分としては信じられない挙動だった
けど無意識にそうしていたということは
つまりそうなのかもしれない
人間というのはわからない
自分自身含めて。
もっと書きたいことがあった
けど考え事が多すぎた
古い順から消えていった
さようなら
小さい頃、お世話になりました。
凄く寡黙な方でしたので
沢山話したことはないけど
いつも穏やかで
落ち着いた会話が心地よかったです
死後の世界だとか
そう言った物事に関しては
全く持って信じていませんが
どこかに行ったのであれば
そこで穏やかに過ごしていて下さい
さようなら。
死んだ。
最後に会ったのは3年ほど前
そもそも仕事の都合上もあって
会うこと自体ほぼなかった
要所要所で会う事はあったが
ちゃんとした記憶は小学校とか
そこら辺の時期
とは言っても従兄弟の父親
ちゃんと親族の一人として葬儀をした
死を身近に感じるのは嫌い
別に死ぬのは怖くないが
死に対して色々考える
天国も地獄もない
死んだら何もかもが消える
その人にあった意識も全部
ただの死体になって
その他に関しては概念すらなくなる
それが悲しい
せめて何か残っていて欲しい
けど現実はそうじゃない
お葬式が終わって、皆で昼ごはん
冷たい弁当
色々な具はあるが
どこか質素に見えてしまう
冷たくて寂しい
静かな待合室
換気扇の回る音
箸で弁当の底のプラを突つく音
誰かが鼻を啜る音
5歳の子供の喋る声
成長を褒める親戚の声
お茶を淹れる音
近況報告の会話
思い出話
沢山耳に入る情報はあるはずなのに
どれも空っぽというか
音に含みがない
少し広い空間も相まってか
大人数のはずなのに
1人1人がそれぞれ孤立してるように見えた
弁当だって確かに味はする
冷たいだけで不味い訳ではない
この具材はなんなのか
沢山具はあるけどメインはどれなのか
エビの尻尾は食べるのか
好きな物があれば食べて良いよとか
楽しく笑って会話はしてるはず
なのにどこか言葉に芯がない
身体の中から空洞ができてる感覚
喫煙所で家をどうするか
結婚はどうするのか
仕事はどうしているのか
さっき泣いていたことはあえて触れない
あくまで普段のように会話
確かに人が死んだけど
それとは違う何かを埋めようとしてる
全部がそういう行動・会話に見えた
ただ、みんな久しぶりに集まって
普段よりも多くの会話ができた
ちゃんと中身もあったし
楽しい気持ちにもなれていた
全員がその空間と時間を大切にしていた
これはちゃんとした事実
自分は仏教の家系だから
それの教えに習った葬式をした
要約すると、死んでも心は消えない
天から見守っている
そういう話になっている
馬鹿らしいとしか思えないし
全く信じてないし信じるつもりもないが
心のどこかでそうあって欲しいと思ってる
死んだ後なにもかもが消えるのは悲しい
なにか、その人の意識がどこかに残っていてほしい
残った意識は苦しむだとか
そういう箇所の話は一旦抜きにして
生きていた痕跡と思い出
残っているのがそれだけは寂しい
けど、人間だから
遠い昔からそういうものとして生きてる
というか、そういうものでしかない
変えられない現実
けどやっぱり死ぬのは悲しい
本当の意味で居なくなる
声をかけても当然返事なんてない
もっというと話しかけるなんて意味がない
話しかけてる対象は死体
つまり肉と骨の塊
あとは機能していない臓器
それだけ
人間に必要なものがあるだけで
人間という意味ではもうそうじゃなくなった
でもみんなやっぱり悲しいし寂しいから
心のどこかで無意味な事を承知して
声を掛け、別れを告げてる
最後、死体は燃やされる
扉が閉まった時、泣きそうになった
というか、ほんの少しだけ泣いた
さっき書いた
無意味とわかってても取る行動というのは
人間の本能的な部分になるのかもしれない
顔は見たけど声はかけてないし
ただ見守るだけでなにもしていない
けど内心ではさようならと声をかけていた
そのあと少しだけ泣いた
自分としては信じられない挙動だった
けど無意識にそうしていたということは
つまりそうなのかもしれない
人間というのはわからない
自分自身含めて。
もっと書きたいことがあった
けど考え事が多すぎた
古い順から消えていった
さようなら
小さい頃、お世話になりました。
凄く寡黙な方でしたので
沢山話したことはないけど
いつも穏やかで
落ち着いた会話が心地よかったです
死後の世界だとか
そう言った物事に関しては
全く持って信じていませんが
どこかに行ったのであれば
そこで穏やかに過ごしていて下さい
さようなら。
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